「れいわ新選組」は左派ポピュリズムを起動した

311からの会+「読む!倶楽部」 例会

 

日時:2019年7月27日(土)15:00~18:00
場所:高槻南スクエア4F(阪急高槻市駅南口すぐ)
参加費:500円

☆「311からの会」の案内文 「れいわ新選組」の挑戦から
 参院選の結果はわかりませんが、山本太郎さんが立ち上げた「れいわ新選組」の寄付金が2億円を超え、連日の街頭演説会には、200~300人の人だかりだそうです。参加者の方からの質問を受け、それに数字や根拠を示しながら、どんな人にもそれこそ真摯に耳を傾け、丁寧に答えていく。そして、分からない事は、分からないと言い、教えて下さいというスタンス。「政治は、みんなでつくっていくもの」を体現していると思います。政治に無関心だった人達を一歩が踏み出せなかった人達を巻き込んでいく、とても大変なことだけど、ほんとは、一番確実なんじゃないかと思ったりしています。「れいわ新選組」の掲げている政策が実現可能かということもありますが、視点や時間軸を変えてみれば、可能性が見えてくるような気 してもいます。
 皆さんは、どのようにお考えでしょうか?私達も真摯にお互いの意見に耳を傾け、話し合える時間を持てたらなと考えます。皆さんのご参加をお待ちしています。(堀家)

☆参考:1
シャンタル・ムフ『左派ポピュリズムのために』(山本圭・塩田潤訳)から引用
「さて、「人民」の構築にとって決定的な問題を考えるときだろう。つまり、政治的アイデンテイテイの構成において感情が果たす重要な役割のことだ。私の考えでは、同一化の過程における情動的次元についての理解の欠如こそ、左派が合理主義的な枠組みに囚われ、政治の動態を捉えそこなうおもな要因なのである」(邦訳P.97)
ポピュリズムが民主主義を強化するための政治戦略を与えてくれることがわかれば、現在の西欧の情況において、この用語を積極的に定義しなおすことがいかに重要であるかを理解できるようになる。これにより、新自由主義的秩序への対抗ヘゲモニーの政治形態を創出できるようになるのだ。ポスト・デモクラシー期において、民主主義の回復と根源化が検討課題として提起されるとき、ポピュリズムこそがこの情勢に適した政治的論理となる。なぜなら、それは、
民衆(デモス)を強調するからである。民主主義に必要不可欠な次元として、人民と少数者支配のあいだに政治的フロンティアを構築する政治戦略と捉えれば、ポピュリズムは、民主主義をコンセンサスと同一視するポスト政治的な考え方に異議を申し立てるものとなる。」(邦訳P.109)

☆参考:2「れいわ新選組」の運動は自由民権運動である
 山本太郎ひきいる「れいわ新選組」の選挙運動がおおきな流れを作っています。寄付を呼びかけて3億円以上を集め、参議院議員候補者10名をそろえて選挙運動を展開しています。
 れいわ新選組の選挙公約の1番目は消費税の廃止。デフレが20年続く中で庶民の生活難に答える減税策です。8パーセントの消費税を10パーセントにするという与党の増税方針に反対なのは、ほとんどの野党も掲げてはいます。でもだれも消費税そのものを廃止するなどのありがたい方針を現実的だと思わなくなっています。それが財務省がいつも宣伝する国の借金が1000兆円あるぞ、後の世代に借金を残していいのか、国が破綻してもいいのか、と脅してきました。それが庶民の意識にも染み渡っていて、それで消費税仕方ないな、という認識を作ってきたためだ。そうした財務省の嘘を論破し、国民の意識洗脳を解除してきたのが山本太郎の街頭演説でした。
 山本太郎の提起した運動は、明治期、国会開設運動を思わせるものがあります。まだ憲法もないときに、国会を開けという自由民権運動が全国に広がります。農具を抱えて農民たちが五日市では「新聞縦覧所」で民権運動の新聞を読み、演説会を開き議論し、五日市では私擬憲法を制定した、と色川大吉氏が昭和43年に明らかにしました。
 しかし、この民衆の盛り上がりは、松方正義のデフレ政策で関東の山沿いの養蚕地帯の農民を一気に窮乏化・破産に追い込んでいきます。自由民権運動の影響下で、窮乏化した農民たちが秩父地方では困民党を結党し武装蜂起しました。しかし政府の弾圧で農民たちの願いも自由民権運動も政府の主導する「国会開設」のなかで解体・弱体化していったのでした。
 明治期の民権運動と山本太郎たちの運動がダブってみえてしまうのは、山本太郎の街頭演説のスタイルです。大きなテレビを街頭に持ち込んで、経済統計などを駆使しながら、財務省のうそを論破していることです。講演会や学術発表会なのか政治家の街頭演説なのか。これが渾然一体になっています。大衆を前に語るわけですからわかりやすいが、学術講演会のようでもあります。これは明治期の民権運動の演説会が政談であり学術発表であり、同時に演劇的でもあったのと似ていましょう。明治期の民権運動の演説会が「演劇的興奮」もともなったものであったというのであれば、山本太郎の街頭演説の興奮は、まさしく明治期の自由民権運動の再来なのではないかと思われてしまいます。(deschoolman)

参考:3 石田ゆたかさんのFacebookから引用
れいわ新選組の比例得票総数
228万624票
(ちな6割が40代以下)
https://www.asahi.com/articles/ASM7M63N5M7MUZPS00G.html
有権者総数
1億588万人
実に国民の50人にひとり以上が「れいわ新選組」に投票
投票率
48.8%
(これは政治の絶望が強まったというよりは、歴史上、類を見ない超高齢化で選挙にいきたくても行けなくなった人の影響が大きいと思います。)
投票者数
約51,669,440人
投票にいった人の23人に1人が「れいわ新選組」に投票
相対得票率4.41%で政党要件を満たし、れいわ新選組が政党になる。
代表の山本太郎さんは、落選で歴代史上最高になる99万2265票の支持を得る
これは有権者の約100人に1人
投票者の約50人に1人が「山本太郎」と書いたことになる。