10月、読書会の案内

             乙訓読書会 例会案内

 テーマ:陰謀論、その源流と現在
 日時 :2019年10月19日(土)午後3時~午後6時
 会場 :高槻南スクエア(ファイブプラザ4F、阪急高槻駅南すぐ。TEL:072-674-1648)
 参加費:500円
 参考図書:とくにありません(簡単なレジュメを用意します)
 話題提供:主催者より
 連絡先:メール〈for.your.eyes.only-2012.by.ht@ezweb.ne.jp〉
                      TEL   090-3843-5823 

 以下は、『世界陰謀全史』(海野弘)のプロローグからの引用です。
 《なぜ陰謀論は決してなくならないのか。おどろおどろしい陰謀論は、とっくの昔に滅んでしまったはずなのに、いつでもよみがえってくる。フリーメイソンテンプル騎士団、薔薇十字団などは、すでにお伽話の世界ではないだろうか。だがそれについて繰り返し新しい本が書かれ、いや、それらは生きている現実のものだ、と主張するのである。
 陰謀論がなくならないのは、現代世界に霧がかかり、はっきり見えなくなっているからではないだろうか。私たちはそれをはっきり見たいと思い、そのための眼鏡を必要とする。その眼鏡のひとつが陰謀論なのである。もちろんそのような眼鏡はひとつではなく、さまざまなものがある。フリーメイソンが見えるのがフリーメイソン眼鏡だ。それぞれの眼鏡には、ある偏向が仕掛けられている。薔薇十字団の偏向を持つ眼鏡なら、薔薇十字団風に世界が見える。その偏向は、スマホ用語でいえば〈アプリ〉ともいえるだろう。ゲームは情報などの世界に、そのアプリを持って入っていける。陰謀論も一種のアプリであり、それによって、世界を陰謀論風に解釈することができる。
 世界は謎である。世界は秘密と陰謀に満ちている。そのような世界を解読したい、はっきり見たいと思う時、陰謀論というアプリが必要となる。世界は雲で覆われて見えにくくなり、それを見たいと思う人がいるかぎり、陰謀論はなくならないのだ。》
 以下、主催者より。
 第二次大戦後の20世紀、最大の陰謀的事件と言えば、やはり、ケネディ暗殺事件であろう。1963年11月18日午後12時30分、ケネディ大統領がテキサス州ダラスで狙撃された。80分後、狙撃現場とは別の場所でオズワルトが別件逮捕され、ケネディ暗殺は彼の単独犯行とされた。一週間後、オズワルトは郡刑務所移送の際、ジャック・ルビーというナイトクラブ経営者によって射殺された。オズワルトの犯行動機は定かではなく、ルビーの動機は大統領遺族に同情して仇をとっただけだとされた。まるで、大都市で日常的に発生する、ごく普通の殺傷事件のような絵図である。こんな説明がどうにも受け入れ難いのは当然で、世論調査によると、アメリカ人の8割以上が政府公式見解・ウォーレン報告を信じていないという。以後半世紀、アメリカでは大事件が起こるたびに陰謀論的解釈が隆盛をきわめ、海野氏は「大陰謀時代の到来」と命名している。
 陰謀論の起源は古く、裾野は広い。今回は、9.11アメリカ同時多発テロ事件など、現代の主要な陰謀論的解釈を取りあげ、あわせて「文化としての陰謀論」についても考察してみたい。フリーな感想の交換によって、「霧にかかった世界」の向こう側が少しは見えてくるかもしれないと思う。